触れたい、できない
「だからって僕に迷惑をかけていいとでも?」
「はい、ごめんなさい」
一喝されて、しゅんとなる私。
…だよね、万屋からしたら巻き込まれていい迷惑。
絶対嫌だと言われたら、諦めるしかないことだ。
_でも、万屋は
「…はぁ…少しだけですからね」
…ため息をつきながらも、協力してくれるんだ。
「というかソレ、いい加減離してくれます?」
万屋はカバンを抱きしめたままの私に、眉を寄せる。
「はっごめん!」
私はその声に、慌ててカバンを手放した。
…多分、私の中の予想なんだけど
_万屋は、触られるのが嫌いだ。
眉を寄せる万屋を見て、より罪悪感が増す。
そんな相手に、汚い手を使ってしまった……と。
私は、カバンをイスに置いて向かいに座り直してくれる万屋をチラッと見る。
…こうして無理やり相談に付き合わせたんだから、何かお返しもしなきゃだよね?
でも、万屋は人から何か物を貰って喜ぶタイプには見えない。
ましてや、今のでも嫌な顔をされたのに、人が触ったものを貰うってのは…
多分嫌だろう。
「ええ〜どうしよう…?」
また別の悩みができて、私は思わず言葉が漏れた。