触れたい、できない
「_まだ相談があるっていうから仕方なく来てみれば…なんの真似ですかコレ」
下校時刻も過ぎ、なかば無理やり連れてこられた万屋はため息をついた。
…いやだってさ、物で返せないとなったら気持ちでしか返せないじゃん?
つまり、相談返しってことよ!
私はさすが私!とでも言うように胸を張った。
………まあ、単に気になる事もあったからなんだけど
「ねえ、万屋。最近ずっと気になってたんだけどさ…」
店員さんが水を出してくれたところで、私は万屋の目を見て話す。
「……最近休みが多いのって、何で?」
_そう。
この1ヶ月、万屋は学校をよく休んでいた。
初めは意外と身体弱いのかな…なんて思ってたけど、いつも休む理由は『用事』らしい。
別に万屋の家庭事情なんて知らないし、普通なら気にしないんだろうけど…
_休んだ次の日の万屋の様子が、いつもおかしいんだ。
もともと、笑った顔なんか苦笑か意地悪な笑みしか見たことないけど、明らかに険しい顔をしている。
何かに怒っているような
それでいて…
とても苦しそうな表情。
基本ポーカーフェイスだし、委員の仕事でよく一緒にいるからこその気づきかもしれない。
実際、蓮に万屋のことを聞いても「いつもと変わんなくねえか?」と、返された。