触れたい、できない
_もし、言いたくない理由があるんだったら良いんだけど…
「万屋の友だちとして、気になるんだよね。最近の万屋の様子が」
まっすぐ、真剣に伝える私。
「……友…だち…?」
そんな私に、万屋は一瞬目を見張った。
まるで、友達と言われたことに心底驚いている様子で。
しばらくの沈黙が流れたあと、万屋はフッと笑った。
「何か勘違いしているようですが、僕は紺サンと友だちになった覚えなんかありません」
_ドクンっ
一瞬、大きく心臓が鳴った。
………え、私…友だちじゃないの?
目を合わせず、コップの中を見つめながら話す万屋。
「何で休むのかなんて、貴方に関係ないでしょ。こうして相談に乗ってるのだって、僕が休んだ時やってくれた委員会活動のお返しです」
そう話す万屋は、決してこちらを見てはくれなくて。
……目も合わせたくないってこと…?
浮かれていた気持ちが、一気に冷静に戻る。
_そうだよね、万屋にとって私は、ただの面倒くさい学級員。
そう思った瞬間、ギュッと胸が締め付けられた。