触れたい、できない








_その瞬間





……バシッッ




_大きな音ともに、私の体はおじさんから離れた。




そして、誰かの胸にトンっと収まる。




「……っ?」



な、に……?




状況が掴めず、私は突き飛ばされたおじさんを見る。




「なぁにすんだお前ぇ!」




当のおじさんは、赤い顔をより赤くして大声で叫んだ。



すると、おじさんを突き飛ばした人は私の肩をぐっと掴み、










「_あんたこそ、何してくれてんですか」




_鋭く低い声で、おじさんを睨みつけた。










その声は、この1ヶ月嫌というほど聞いた、冷静な声で…








「_これ以上は警察を呼ぶことになりますが…どうされます?」




…私が泣いている原因の声だった。



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