触れたい指先、触れられない心

 きっと電話の相手は……
 でも霞さんは相手にする気なさそうだし、このまま放っておいても大丈夫だよ……ね?


「伝え方が悪かったのなら謝る。だが、もう関わる気は微塵もないと断言しておく」



 霞さんはわたしの顔をちらりと見て、そのあとすぐにキッパリと断言した。
 きっとわたしが不安になっているのが分かったから……



 どうしよう、本当に好き……



「……すまない、せっかくの時間を」

 霞さんは電話を切るなり、わたしに向かって謝る。

「そんな……大丈夫だったんですか?」
「ああ、気にすることはない。……それより、陽が沈む瞬間を逃してしまった。残念だ……」
「そんなの、見れるまで毎日でも付き合います! だから、また一緒に観覧車に乗ってくれますか……?」
「それは、楽しみだな」


 きっとこれからも、あの女は邪魔をしてくると思う……
 でも、霞さんにその気はないんだし、気にすることはないよね……


 そう自分に言い聞かせても、やっぱりわたしは自分に自信がないから不安な気持ちになるけど、霞さんがこうやってそばにいてくれたら、そんな不安だっていつの間にかドキドキに変わってる。


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