ヤンキーとあたしと嘔吐~君に贈る物語~
「なあ」
「なに?」
「今更だけど、お前名前なに?」
リュウヤは思ったより真剣な顔をしててびっくりする。
「な、なに改まって!!!」
「俺言っただろ?トラウマ消してやるって」
ニヤリと笑う。
いつものリュウヤだ。
「教えませーん」
「なんでだよ?」
「トラウマなんて消してもらわなくて結構だし、てゆうかもう、これは消えるもんじゃないから…」
消してやるって思って消せるもんだったら、とっくに消えてる。
「…彼氏とどこまでした?」
「は……?」
彼氏?
「この前帰りに泣いてた時、話してた男って彼氏だろ?」
ユウキのことかな。
「……元カレ、もう振られてる」