強引な彼と恋のマジックドライビング
「なんで!?ちょっとまって…。
柚月が "しんちゃん" だってもしかしてお父さんもお母さんも知ってたの?」

私の頭は混乱していた。
唖然として柚月を見ると

「あぁ、知ってる」
平然として淡々と答えた柚月にイラつきながら

「どうして私に言ってくれなかったの!」

とムッとして柚月を睨むと

「朝陽はさ、俺と会ってもわからなかったろ?
俺のこと…。

確かに昔はヤンチャしてたから、あの頃と違って髪の色も今は黒いし、雰囲気だって顔つきだってちょっとは俺も大人っぽくなった。

一瞬わかりづらいけどさ、何より朝陽自身が大地の思い出を辛くて思い出さないように記憶を封印してただろ?」

柚月は顔を曇らせて寂しそうに笑った。
そんな悲しそうな柚月を見て胸の奥がズキンと痛んだ。
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