桜田課長の秘密
どうすればいいのだろう。
借金の返済もあるし、来月はアパートの更新月。もうすぐおばあちゃんの一周忌だってある。
「……なんとか、なりませんか?」
「は?」
「自分が悪いのは分かってます。でも困るんです、死活問題なんです!」
「くっ、苦し……死……ぬ」
気がついたらテーブル越しに課長のシャツを掴んで、ギュウギュウと絞めあげていた。
「あっ、すみません」
危なかった。
職を失うだけでなく、前科までつくところだった。
「虚言、副業、暴行。これだけそろえば、今すぐにでも解雇できますね」
「そ、そんな――」
たとえばキャバクラの仕事。
同伴やアフター、おはようメールにおやすみメール。ガチガチに営業をかけても、成果が出るのは早くても来月だろう。さらにそれがお給料に反映されるのは、再来月。
頭の中で電卓をたたいてみたけど、どう考えても破綻だ。
ええい、こうなったらこれしかない。
スクリと立ち上がり、課長の隣に移動して床の上に正座した。
借金の返済もあるし、来月はアパートの更新月。もうすぐおばあちゃんの一周忌だってある。
「……なんとか、なりませんか?」
「は?」
「自分が悪いのは分かってます。でも困るんです、死活問題なんです!」
「くっ、苦し……死……ぬ」
気がついたらテーブル越しに課長のシャツを掴んで、ギュウギュウと絞めあげていた。
「あっ、すみません」
危なかった。
職を失うだけでなく、前科までつくところだった。
「虚言、副業、暴行。これだけそろえば、今すぐにでも解雇できますね」
「そ、そんな――」
たとえばキャバクラの仕事。
同伴やアフター、おはようメールにおやすみメール。ガチガチに営業をかけても、成果が出るのは早くても来月だろう。さらにそれがお給料に反映されるのは、再来月。
頭の中で電卓をたたいてみたけど、どう考えても破綻だ。
ええい、こうなったらこれしかない。
スクリと立ち上がり、課長の隣に移動して床の上に正座した。