幼なじみの彼とわたし
自信のなかった“好き”の気持ちが確信に変わった日に失恋をした。


こうしてごはんを食べてくれるのもあと何回だろう。
買い物につきあったり、一緒にでかけたりしてくれるのは、この前が最後?それとも次がある?
彼女できても、わたしと仲よくしてくれる?
思うことはたくさん。


「何かあった?顔に何かついてる?ちゃんとおいしく食べてるよ」

「あ、ごめん」

へへ、と笑って目線をうつす。
気づかないうちに、遥ちゃんを見つめていたようだ。
近くに好きな人がいるのに、その人には他に好きな人がいるってこんなに苦しいんだね。
初体験だな、と思う。


食べ終わったあと、お皿を片付けてコーヒーを手にソファに行き、遥ちゃんにカップを渡す。
すると、いつもはすぐ飲むのに今日はカップをテーブルの上に置いた。


「亜衣、ちょっとここ座って?」

遥ちゃんはそう言って、ソファの自分が座っている横を手でぽんぽんとする。


なかなか行けれずにいるわたしの腕をつかむと、わたしが持っているカップもテーブルの上に置き、自分の隣に座らせる。


「何?」

「亜衣、何かあった?いつもと違う」


“遥ちゃんに失恋して凹んでる”とは言えない。
いずみんは「気持ちを伝えるのよ、絶対よ!」って言ってたけど。


無理だ。


今できる精一杯の笑顔で答える。


「…え?う、ううん、何にもないよ」

「俺を誰だと思ってんの?いつもと違うことくらい顔見た瞬間にわかったよ」

「え?」


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