カッコウ
でも、そんな必要がなかったことを、茂樹に会った時にみどりは気付いた。

待ち合せたカフェで待つみどりを、やって来た茂樹は、
 
「出よう。」と促す。
 
「軽く飲みながら、ゆっくり話そう。」

と言って近くの居酒屋に移動する。
 
「須永さん、いつも授業、真剣に聞いていてくれたよね。」

賑やかな店内。乾杯した後で茂樹は言う。大学にいる時よりも砕けた話し方で。

多分みどりの下心に気付いている。

軽くビールを飲みながら世間話しをした後で茂樹はみどりに言う。
 


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