【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「やだっ」
セロの口元に両手をあてて、拒んでみるも。
わたしの抵抗なんてなかったかのように、手を振り払うと――
「やっ…」
耳たぶを、甘く噛まれてしまう。
セロが本気を出したら一瞬で噛みちぎられる。
……と考えるとゾクリとした。
「セロの餌になって一生食べられる……以外に。選択肢をくれないかな」
「断る」
息が、かかる。
「そんなにわたしが欲しい?」
「欲しい」
「っ」
「欲しくなければ。俺から近づいたりはしない」
パジャマの上から
「必要でなれば俺のものにしたりなどしない」
セロにつけられたシルシがある場所に、爪を立てられる。
「キスが食事なら。それ以外のことする意味ないよね?」