【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
知って行かなくて、いい……!!


「フツウに食べて!」


思わず口から出たのは、苦し紛れの提案。


「は?」

「……ヘンな味つけせずに。さっと。いや、そっと食べて」

「喰われるのは嫌だと。あれほど抵抗していたのにか」

「だって」

「俺のキスが恋しいか」

「ちがう!」

「だったらなんだ」

「食べなきゃセロ。死んじゃうんでしょ?」


わたしの言葉に、セロが目を見開く。


「わたしはセロとキスしたくない。キスされても嬉しくない。……けど。わたしのせいでお腹ぺこぺこなのに。放っておきたくもない」
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