【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


真ん中に仁王立ちしている明るい茶髪のギャルが、わたしをすごい剣幕で睨む。


その両隣にいる2人も派手めな女の子で、腕を組みこっちを睨みつけてくる。


思い当たる節がないわけでもない。


1つだけ思い浮かんだ。


目立たないわたしが、見ず知らずの先輩女子から絡まれる理由が。


「すみません、授業があるので」


逃げよう。


この人たちと関わるのは、明らかに危険だ。


「つべこべ言わず来いよ」


腕を引かれ、そのまま近くの空き教室まで強引に連れ込まれてしまった。



――カチッ



教室の内側から施錠される、前後の扉。


窓際までくると、腕を両側からガシッと掴まれ取りおさえられた。


…………逃げられない。
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