【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「質問に答えてもらうわよ」
聞かれるのは、あのことだろう。
「あんた、黒羽根くんのなに?」
やっぱり。
この人たち、セロのファンだ。
昨日わたしはセロに手を引かれ、昼休み屋上までかけていった。
それが噂となり広まるのも時間の問題だ。
しかし早速呼び出しをくらうとは。
「友達、です」
「トモダチ? あんたみたいなのが、そばにいていいと思ってんの?」
追い払いたいのに寄り付くのはセロの方――と言い返してやりたくもなるが、火に油を注ぐようなもの。
そんなこと先輩相手に言う勇気もない。
「い、いけないですか?」
「いいわけないだろ!! 1年のくせに」
ガタンッ
先輩が、そばにあったイスを勢い良く蹴り倒す。
「……っ」
倒れたイスが、わたしの脚に当たった。