【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。

おそらくはセロに二度と近づくな、とそう言いたいのだろう。


だったら下手に抵抗せずに大人しくしておいた方がいい。


セロに学校では絶対に近づくなって言い聞かせなきゃ。


……いや、言うこときかないよね。


どうしよう。


「あんたの、その、目にかかってる前髪も。中途半端に長い髪も。超ダサいよね」


図星すぎて言い返す言葉がない。


「あたしが可愛くしてあげるよー」


――――え?


先輩が、ポケットから取り出したのは


「動かないでね?」


鋭いハサミだった。


「な……に。するつもり、ですか?」

「ごめんねー? 初めてだから。失敗しちゃったら」

「や、やめて下さい」

「じっとしてなよ。でなきゃ、間違えて……切っちゃうかもよ? 耳とか顔」
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