【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


そっと、耳打ちされる。


「いつまでもここにいるの嫌なんだろ」


そうだよ。


部屋から出ていきたくて仕方がない。


だけど。


「……友達を。置いていけません」

「お前をこんなことに巻き込んだやつだぞ」

「なにか、考えがあるのかも」


雛がわたしを放って1人で楽しむとは思えないよ。


「あるかよ。アキラとよろしくやってるだろ」


ベッドのきしむ音が聞こえるたびに


アキラさんが雛を「ユリちゃん」と呼ぶたびに、耳をふさぎたくなっていた。


けれど


――――音が、やんだ


(……雛?)



「あるに決まってるでしょ?」


顔を上げると、そこには――


「ミイから離れなさい」


まっすぐ立つ、雛がいたんだ。
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