Keeper.ll



「なぁんだ、神龍の奴らはまだだったのね。道理で動きが遅いと思ったわ。」

『希望さん…、』


「あら、ごめんなさい。」

「希望さんは武道とか詳しいんですか?」

「ええ、少し齧ったくらいかしらね。」


どこが少しだと思ったけれど心の中で黙っておくことにする。


『あ、準備が終わったみたい、入場し始めましたよ。』


「えっと、雪くんが騎手で龍くんと輝くんと律くんが騎馬かな?」


『確かそうだったね。永富が騎手だってことを僕が小さいからね!って怒ってた気がする。』

「あー、荒れてたね……。」


「へー、どれ?」

希望さんが双眼鏡を取り出した。準備がいいですね、と言えばカメラも持ってるわよと言い出した。気合いがはいりすぎていると思うが。


『あ、あの藍色の髪の』

「今騎馬に乗り込んだ子ね?なかなか可愛い顔してるじゃない。」

『そうです、……どちらかと言えばカワイイ系だとは思いますがあなたが言うとなんか別の意味になってくるんでやめてください。怖いです。』


騎手が騎馬の上に上がった、ホイッスルがなる。その瞬間、凄まじい雄叫びと熱量で両軍がぶつかった。


「あらやだ、なんか……醜いわね」

『酷いな、おい』


「だってぇ〜」

千歩も隣で呆れたように笑っている。

『お、永富が相手の鉢巻を1本取った。』

「そりゃ取るのは相手の鉢巻だよ、自陣の取ってどうするの」

くすくすと笑われたがいまいちルールが分かっていないのだ。たしか敵のハチマキを取りまくって先に全滅した方が負け、だったっけ?


聞いたら大将のハチマキを取られ時点で負けが確定するらしい。たとえほかの騎馬が何組残っていようと。
< 106 / 145 >

この作品をシェア

pagetop