Keeper.ll



12番の子が走っていったので前の白線に出る。どうやら今は1位らしいので、1番内側のところに入る。

靴の紐を確認したところで、13番へと渡る。

「イケー!!」

「抜かせー!!!!」


私たちは喋ってたから声を出して応援することなかったけど、想像以上にみんな全力でしてたんだな。



最後のコーナーを回って走ってきた子に前の方で待つ。どうやら直ぐに見つける事が出来たようで表情が明るくなっていた。


「お願いします!」

『任せて』


走るのが苦手と言っていたから、1位のプレッシャーは凄かっただろう。先程B組はバトンミスでちょっともたついたらしいけれど既に距離は縮まって来ている。


安心させるように笑ったけれど一瞬のことだから多分見えていないんだろうなと思いつつ加速する。

内側に入って、白線ギリギリを駆け抜ける。


景色がものすごい速さで流れる。練習の時もこんな感覚だったな。

砂利が後ろに吹っ飛ぶ感覚が足の裏に伝わる。

私の名前を呼ぶ歓声も声援も聞こえる。



やっぱり楽しい。誰かに応援されるのっていいよな。そんなことをぼんやりと考えながらすぐ後ろを追ってくる人を意識する。先程よりは引き離したけど相手も早いのか差は開ききらない。
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