Keeper.ll
「里香ちゃーんっ!!頑張ってぇ!!」
千歩の声が聞こえた気がした。いや多分絶対に聞こえた。だって声でかいから。
『……頑張ってるっての!』
ポツリと呟いたか心で怒鳴ったか、分からないけれど14番の子が見えてきたのでラストスパートとばかりに足に負荷をかける。
いや、さっきも全力で走ってはいたけれど。
『よろしく!』
白線が引かれているゾーンに入り、バトンを渡せば相手も火がついたように走っていく。
「里香ちゃん!お疲れ様!!!」
『うん、ありがと。千歩って声結構大きいね、』
「そう?」
『応援される側はよく聞こえて有難いよ。』
「そっか!えへへ」
「あ、望くんにバトン渡ったよ。」
『ん?お、ほんとだ。』
「望くーん!」
『いけー!抜かされるな!!』
私は彼が走っている姿をまじまじと見なかったからかどうやらちゃんと見たのはこれが初めてらしい。
儚げな美少年が一生懸命走っている姿は、漫画であれば花が待っているエフェクトでもついていただろう。実際は緑髪のヤンキーだけれども。見た目詐欺じゃないのか?あれは。
どうやら私がギリギリ付けた差は私の後の人と帯刀のおかげで広まっていたらしい。