Keeper.ll
2年生のリレーもつつがなく行われた。さきほど帯刀と話してたような一騎打ちは起こることがなくてみんなで残念だねって笑った。
言うまでもないがやはり時友、相澤、十勝がいるA組が圧倒的で終わった。こちらは永富が第1走者を務めたが2年生の方では時友だった。
『なんかもう、なんも言うことないのよね』
「ただただうちらの参謀がかっこいいってことくらいですかね?」
『それで十分じゃないですかね。』
1年生は退場したので応援席で見ているわけだけれど、スタートはこちら側である。
「あっ、律こっちみてない?律ー!!がんばれー!!」
どうやらスタート前で並び終わった時友は暇らしく、こっちを見つけてから手を振った。ファンサービスがよろしいですね。
そして永富は声が大きい。
「律さーん!!」
なんだ帯刀、アンタもか。
<それではよーい、>
掛け声が上がって、ピストルの音が爆ぜた。
「律くーん!!!」
『早すぎでしょ、、、』
綺麗なフォームで、綺麗な顔が過ぎ去って行った。ハチマキが風に揺れてなびいていた。
ニコニコと笑っていた時友はそれはまた同じように軽やかな顔であっという間に駆けていって……戻ってきた。