神楽先生はそんなに甘くない。

「うん、そう。超理想のタイプで。どんな人かっていうと、まずこれを見てほしいんだけど...。」

言いながら鞄の中身を漁り、お目当ての物を取り出す。

「これなんだけど...。」

机の上に置いた1冊の少女漫画。タイトルは「冷徹先生と秘密の放課後」。

それを見た途端、香帆の表情が曇る。

「...なに、神谷先生に似てる先生に恋したってこと?」

先程自分でも思わずあの先生を目の前に零してしまった神谷先生、というのはこの少女漫画に出てくる主人公だ。
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