異世界でお菓子を振舞ったら、王子と竜騎士とモフモフに懐かれました
一日目は慌ただしいまま、材料が切れて店じまいをした。ベイルさんとミレイさんにも何度もお礼を言って、ふたりはお祭りに戻っていった。
閉店準備が終わったあと、料理長さんとふたりで今日の反省会だ。疲れていたけれど、私も料理長さんもやりきった顔をしていたと思う。
「お疲れさん。俺はこれから、材料のストックを増やしてもらうようかけあってみる。明日と明後日はもっと混み合うだろうからな。あと、厨房のやつらに連絡して、交替人員もふたり用意しておく」
「いろいろとありがとうございます。ほんとに、料理長さんがいなかったらどうなっていたか……」
腕の筋肉を盛りあがらせながら、一日中泡立て器を動かし続けてくれた料理長さん。『かわります』と申し出ても『エリーさんは焼きを頼む』と力がいらない作業を任せてくれた。
「いや、俺はこれでも楽しんでたんだぜ。屋台を出すなんて、城の厨房で働いていたら一生できない経験だからな。たくさんの人に自分の作ったものを食べてもらうのって、いいものなんだな。目の前で笑顔が見られるのは店の特権だな」
お城で食事を作っても、給仕はメイドさんの仕事だから実際に食べているところは見られないんだ。それはちょっと寂しいことだな、としんみり思う。そのぶん、まかないで仲間たちが盛り上がってくれるけれど。
「じゃあ、明日もがんばろうな。エリーさんはこれからお祭りを見て回るのかい?」
「いえ、疲れたので今日は早めに帰って寝ます。明日のパレードと、明後日の閉会式は見たいので」
「そうか。その時間はエリーさんが休憩に出られるようにしておくよ」
「いいんですか?」
もし無理そうだったら、アルトさんの挨拶のときだけちょこっと抜けさせてもらおうと思っていたのだが。パレードも、屋台の中から見物するつもりでいた。
「祭りなんてさんざん見てきたおっさんばかりだから、遠慮しなくていい。こういうイベントは若いうちに楽しんでおきな。それにアルファート王子だって、エリーさんに近くで見てほしいだろうさ」
「そ、そうですね」
一瞬、アルトさんとの約束を見通されているのかと思ってぎくっとする。
「明日も開場一時間前に集合でいいか? それじゃ、気を付けて帰るんだぞ」
なんとか拾えた辻馬車に乗り、家路を急ぐ。車に比べると揺れも激しく椅子のクッション性にも乏しい馬車だけど、今日は初めて馬車の中で眠ってしまった。
閉店準備が終わったあと、料理長さんとふたりで今日の反省会だ。疲れていたけれど、私も料理長さんもやりきった顔をしていたと思う。
「お疲れさん。俺はこれから、材料のストックを増やしてもらうようかけあってみる。明日と明後日はもっと混み合うだろうからな。あと、厨房のやつらに連絡して、交替人員もふたり用意しておく」
「いろいろとありがとうございます。ほんとに、料理長さんがいなかったらどうなっていたか……」
腕の筋肉を盛りあがらせながら、一日中泡立て器を動かし続けてくれた料理長さん。『かわります』と申し出ても『エリーさんは焼きを頼む』と力がいらない作業を任せてくれた。
「いや、俺はこれでも楽しんでたんだぜ。屋台を出すなんて、城の厨房で働いていたら一生できない経験だからな。たくさんの人に自分の作ったものを食べてもらうのって、いいものなんだな。目の前で笑顔が見られるのは店の特権だな」
お城で食事を作っても、給仕はメイドさんの仕事だから実際に食べているところは見られないんだ。それはちょっと寂しいことだな、としんみり思う。そのぶん、まかないで仲間たちが盛り上がってくれるけれど。
「じゃあ、明日もがんばろうな。エリーさんはこれからお祭りを見て回るのかい?」
「いえ、疲れたので今日は早めに帰って寝ます。明日のパレードと、明後日の閉会式は見たいので」
「そうか。その時間はエリーさんが休憩に出られるようにしておくよ」
「いいんですか?」
もし無理そうだったら、アルトさんの挨拶のときだけちょこっと抜けさせてもらおうと思っていたのだが。パレードも、屋台の中から見物するつもりでいた。
「祭りなんてさんざん見てきたおっさんばかりだから、遠慮しなくていい。こういうイベントは若いうちに楽しんでおきな。それにアルファート王子だって、エリーさんに近くで見てほしいだろうさ」
「そ、そうですね」
一瞬、アルトさんとの約束を見通されているのかと思ってぎくっとする。
「明日も開場一時間前に集合でいいか? それじゃ、気を付けて帰るんだぞ」
なんとか拾えた辻馬車に乗り、家路を急ぐ。車に比べると揺れも激しく椅子のクッション性にも乏しい馬車だけど、今日は初めて馬車の中で眠ってしまった。