異世界でお菓子を振舞ったら、王子と竜騎士とモフモフに懐かれました
「私は物質変化の魔法の力で、土地改良を行おうと思います。まずはひとりで、うまくいったら今度は研究者の力も借りて、国をあげて取り組みたいのです。そのための許可を今日、この場でくれませんか。……父上」
ざわめきが大きくなる。観衆の目は、今度は国王陛下に注がれた。
無言のままの陛下のかわりに、第一王子が前に進み出る。
「お前が、そんな大それたことをできるのか? この前の花火だって、結局は失敗に終わったじゃないか。――父上、許可なんて出さなくていいです。どうせこいつの魔法でそんなことができるわけがないんですから」
嫌悪感たっぷりに吐き出された言葉に、私はぎりっと唇をかみしめた。どうして実の弟に、こんなに冷たい言葉をかけられるんだろう。
アルトさんは何も言い返さず、ただ静かに国王陛下の返事を待っている。
国王陛下が第一王子と顔を見合わせ、うなずいたその時。
「――待ってください」
気配を殺すように国王陛下の隣に従えていた王妃さまが、声をあげた。
そして、アルトさんのそばまで駆け寄り、その手を取る。
「アルファート。今までつらい目に遭ってきたあなたをかばってあげられなくてごめんなさい」
王妃さまの目には、涙が浮かんでいた。控えめで、弱々しそうだとも感じた王妃さまは、強い『母親』の顔になっている。
「あなたが生まれた日のこと、今でも覚えている。あなたを生んだことを後悔したことはなかったし、あなたを愛さなかった日はなかった。本当よ」
「母上……」
撫でるようにアルトさんの頬に手を当てると、アルトさんの目元が涙をこらえるようにくしゃっと歪んだ。
「あなたは、わたくしの自慢の息子よ。ひとりでよくがんばりましたね」
王妃さまは覚悟を決めたきりっとした表情で国王陛下に向き直る。
ざわめきが大きくなる。観衆の目は、今度は国王陛下に注がれた。
無言のままの陛下のかわりに、第一王子が前に進み出る。
「お前が、そんな大それたことをできるのか? この前の花火だって、結局は失敗に終わったじゃないか。――父上、許可なんて出さなくていいです。どうせこいつの魔法でそんなことができるわけがないんですから」
嫌悪感たっぷりに吐き出された言葉に、私はぎりっと唇をかみしめた。どうして実の弟に、こんなに冷たい言葉をかけられるんだろう。
アルトさんは何も言い返さず、ただ静かに国王陛下の返事を待っている。
国王陛下が第一王子と顔を見合わせ、うなずいたその時。
「――待ってください」
気配を殺すように国王陛下の隣に従えていた王妃さまが、声をあげた。
そして、アルトさんのそばまで駆け寄り、その手を取る。
「アルファート。今までつらい目に遭ってきたあなたをかばってあげられなくてごめんなさい」
王妃さまの目には、涙が浮かんでいた。控えめで、弱々しそうだとも感じた王妃さまは、強い『母親』の顔になっている。
「あなたが生まれた日のこと、今でも覚えている。あなたを生んだことを後悔したことはなかったし、あなたを愛さなかった日はなかった。本当よ」
「母上……」
撫でるようにアルトさんの頬に手を当てると、アルトさんの目元が涙をこらえるようにくしゃっと歪んだ。
「あなたは、わたくしの自慢の息子よ。ひとりでよくがんばりましたね」
王妃さまは覚悟を決めたきりっとした表情で国王陛下に向き直る。