eternal〜守りし者〜
『…お前が満たされて無いだけであろう?』


『何だと!?』


克徳は鋭い目付きで将季を見た。



『お父上の克行様は民の為にお強くなられたと…皆の暮らしを守る為にお力を付けたのだと申すでは無いか…。』


『…黙れ…。』


『克行様となら、心が通ずる良き仲になれると思っておった…。何故お父上の意志を継ぐ気にならんのだ?お前を案ずる母上の想いが届かんのだッ!?克徳ッ!!』



克徳の母、香音は敵国でありながら夫、克行の意志に反する戦なのだと将季宛に文を繋いでいたのだ。


『黙れと言ってるのが聞こえんのかッ!?』


『まだ分からぬかッ!?己の我儘でどれだけの命が消えて行ったと思ってる?我が軍勢は皆、守る者の為その命を懸けた。お前の守りしモノは何だッ!?』


『…俺は…俺の為だ。』


『…ならば…斬る…。』


将季は刀を握り返した。
誰の合図でも無く、各々の気だけで一斉に刀を交えた。3対1…それでも気を抜けぬ相手。
ふと、目を覚ました空我は全身の痛みと、折れた肋骨、挫いた足、身動きの取れぬ己の情け無さに涙した。

……命惜しくて黙って見てるなんぞ…それは死と同じ事……

……すまぬ…空我。父は最後まで戦う男でありたい……


大吾の言葉が、空我の脳裏を駆け巡った。
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