eternal〜守りし者〜
『殺せッ!…ッ…一層殺すが良いッ!』


『ならぬ…お前は生きろ…。お前の為に命を落とした軍勢の為に生きよ!その哀れな姿で生きて償え。』


そう言って将季は克徳の失った方の腕を布でキツく縛った。


『藤原軍に告ぐッ!我駿流美軍は藤原軍 将、冴羽 克徳の首の代わりに腕を取った。この戦、これにて我、駿流美の勝戦とする。直ちに克徳を連れて立ち去れッ!さもないと、克徳の命が保たぬぞッ!急ぎ立ち去れッ!』



恐る恐る姿を現せた藤原軍達が、それぞれに克徳へと駆け寄った。


『…かっ、克徳様ッ!』

『克徳様ぁ!』



誰も将季に牙を向ける者は居なかった。



『……将季…ッ…この仕打ちッ……クッ……俺は…絶対に……許ッさぬ…ッ。』



担がれる克徳は声を振り絞ってそう述べたが、克徳を担ぐ藤原軍の兵はしっかり将季の目を見て涙を堪えるとグッと頭を下げた。

言葉にこそ出来なかった兵の想いは将季に伝わった。


それを見届けた佐護路は寝転んで天を仰いだ。権蔵は刀を下ろし大きく息を吐いた。


将季は空我の身体を起こし強く抱きしめた。


『……許せ…空我……。』


首を横に振り涙を流す空我は、ゆっくり持ち上げた手で将季の肩を抱くと声を上げて泣いた。
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