eternal〜守りし者〜
将季は空我を立ち上がらせ、抱えながら1歩ずつ大吾の元へを連れて行った。うつ伏せに倒れた大吾の身体を仰向けにしてやると、その手を胸の上で重ねてやった。


『…父上ッ…。…立派で…御座いました…。空我は、あなたの様な男に…なりとう御座いました…ずっと……ずっと……。』


権蔵に肩を抱かれた佐護路も、長年の相棒の顔に手を添えると言葉を送る代わりにゆっくり目を閉じてやった。


大吾を失った悲しみは、その場に居る誰もが胸を痛めた。それでも…仇を生かした将季を責める者は誰1人居なかった。



駿流美軍勝利の一報を耳にした鈴は安堵した。


『そうか…。皆無事なのだな?』


『……それが……皆ッ、深い傷を負っておられ…大吾様がお命を落とされたとの…』


それを聞いた鈴は、いても立って居られず城を飛び出した。鈴を追いかけ様にも紗江は子供達を置いては行けず、城に残った。


駆け出して行く鈴に皆が驚いたが、その脚に敵う者はおらず…ただ泣きながら掛けて行く鈴を誰も止められなかった。


城の外へ出ると羽織りを脱ぎ捨て、合戦の場へと向かった。鈴の脚で片道30分という所だろうか…。山道を抜け無我夢中で必死に走った。


傷を負った兵達は必死で歩けぬ者に肩を貸し城へと戻ろうと歩みを進める中、将季は命を落とした軍勢達を1ヶ所に並べ其々の手を胸の上で重ねてやった。それを手伝えぬ佐護路と空我は大吾の側で2人肩を並べた。
< 105 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop