eternal〜守りし者〜
黙って将季を手伝う権蔵の目にも堪えるモノがあった。


『…面白い奴だった…。空気は読めぬし…間の悪さは天下一品…つまらん駄洒落も聞き飽きた…。』


空我は、佐護路の口から大吾の話を聞くのは初めてだった。


『………だが…良い奴だった……。』


そんな言葉に再び涙を流す空我。


『友であり…仲間であり、同志…兄弟…家族…最高の相棒だったと…伝えてそびれたわ…。』


『…師匠ッ……ありがとう…御座ッ…』


懸命に涙を拭きながら礼を言う空我の肩を佐護路は初めて抱き寄せた。


『……お前も、俺の子だ。俺の息子だ。』


佐護路の優しさに触れた空我は深い悲しみの中で自然と笑みが溢れた自分に、まだ生きる力が残っている事を気付かされた。



山を抜け、そんな合戦場へと出て来た鈴に将季が気付いた。



『ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ…。』



『…鈴…。』



肩で息をする鈴に将季はゆっくり歩み寄った。ただ将季の顔をジッと見つめる鈴の頬に手を添えた。


『…なんて顔してんだ…。』


不安気に涙を溜める鈴に、将季は悲しい笑みを浮かべた。


『………その顔……好きじゃなぃ……。』


鈴の目から大粒の涙が溢れると、将季は鈴をそっと抱きしめた。


『……こうすれば……顔を見ずに済む…。』


そう言って、声を震わせる将季の声が悲しくて悲しくて…鈴は将季を抱きしめた。


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