eternal〜守りし者〜
『……大吾を…守ってやれなかった……。』



鈴は泣きながら頷いた。



『……ここで落とした命…1つ1つに…守りし者が居たのに………無念じゃ……。せめて、皆をその者達の元へ帰してやりたい…。』


将季はスッと鈴の身体を離れると、倒れた兵達の元へ向かい担いではまた、並べ出した。


鈴はゆっくり、視線を動かすと大吾の元へと1歩ずつ歩み寄った。


黙って遠くを見つめる佐護路と、涙を拭う空我。


『…………………………。』


黙って大吾の頬に手をやる鈴に空我は精一杯笑って見せた。


『……父上…鈴様が城を飛び出して参ったぞッ。ジッと待っておれん鈴を…叱ってやらんで良いのか…?』


そんな空我の顔をジッと見つめる鈴。


『………もぅ良い……そんな笑みは…見とうなぃ……共に泣こぅ……空我……。』


鈴の振り絞る声に空我の口元は小さく"ありがとう"と動いた…。



1度に連れては帰れぬ軍勢に深々と頭を下げた将季。


『必ず…迎えに来る…必ず…。』


そう言って将季は空我を、権蔵は佐護路を…鈴は大吾の刀を手に城へ戻った。

将季達によって1人1人並べられた軍勢は翌日、村人達の手を借りて皆城へと戻された。
それぞれの家族が自分の家へと連れて帰り、身寄りのない者は将季が責任を持って埋葬した。大吾は、亡き妻…妙(たえ)の墓にて永眠した。

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