eternal〜守りし者〜
将季は深い悲しみを未だ拭い去れずにいた。
優しい顔で眠りにつく我が子達を眺め、心で泣いている…そう感じた鈴は将季の手を引き廊下へと連れ出した。


『殿……月が綺麗です…。』


『…あぁ…いつか見た月の様だ…。』


鈴は月を見上げる将季の胸に顔を埋めた。


『…どうした?鈴…。』


『鈴は…どうしたら殿の悲しみを拭い去れるのでしょう…。どうしたら…。』


将季はゆっくり鈴の顔を覗き込んだ。


『そなたが居てくれるだけで…あの子達が笑っていてくれるだけで良い…。傷はいつか癒える……そうやって皆、前に進んで来たのであろう?』


『……はぃ。』


『俺は、こう見えて弱い男だ…。もう少し…時間がかかるやも知れん……それでも、鈴が居てくれるから、前を向こうと思える。』


鈴は、そっと寄り添い同じ月を見上げる将季の傷が癒えるのを焦る事なく…ただこうして静かに隣で見守ろうと心に決めた。

国を1つに天下人となった将季は、新たに駿流美の領土となった地の民にも、これまでの駿流美同様に年貢制度を和らげた。身寄りのない子供達は皆城へ向かえ入れ、身体を鍛えるのでは無く、女中達の手伝いをさせる事で飯を与え、学問を教えるようになった。
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