eternal〜守りし者〜
お凛は自分が描いた絵に目をやり、どうぞと言わんばかりに得意げな顔をした。

『あっ、これ。是非…。』

鈴は、お凛の描いた下手くそな似顔絵をもらう事にした。

『では…、こちら片付けますね。墨もひっくり返しては大変ですし。』

『あぁ〜!いぃ。そのままで。部屋の隅にでも置いておいて。』

『えっ?まだ絵をお描きに…?』

『明日…鈴も此処には居られないんでしょ?退屈凌ぎに置いておいて。』

『はい…。』

『いよいよね。将季様が将軍になられるのね。』

『…そうですね。』

『あのお方が将軍になられた後、民は平穏な暮らしを送れるといぃな。うぅん…きっとそうなる。そんな気がします。』

『はい。私もそう願っております。』


『鈴…その願い…きっと叶います。私の勘は当たるのです。』

お凛がそう断言すると、鈴も不思議とそう思えた。部屋から庭を眺めるお凛を見て鈴はこの出会いに心から感謝した。少なくとも、此処へ来たくて連れて来られた訳では無いお凛を側で見守ってきたつもりの鈴だったが、この時鈴はこの人が居たからこそ1度は諦めかけた人生にも意味があったのだと胸が熱くなった。

振り向いたお凛は鈴の目に光るものが見えた。

『…鈴?』

『あはっ。何でも御座いません。』

鈴は慌てて目を拭った。
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