eternal〜守りし者〜
その後直ちに艶女部屋に戻った者達は、身支度をしたり、部屋を移る準備にと慌ただしく部屋を片した。日が暮れるまでに済ませる様命じられており、各部屋ではそれぞれに艶女と次女による最後の時間が流れていた。
『お松…。』
『はい。』
『お松には苦労をかけましたね。』
『いえ…。』
『将季様の元で命を断とうなどと…馬鹿でした。』
そう話して奈緒は16歳という若さでこの城へ来た頃の事を思い返していた。将季との初夜で一目見た将季に心奪われた。奈緒にとっては初恋だった。奈緒は呉服屋の娘で特別貧しい暮らしをしていたという訳では無かったが、その美しさが町では評判となっていた。父、政吉(まさきち)に言われるがまま半ば強引にこの城へ連れて来られた。不安で一杯の奈緒は初夜の晩、一言目に"歳はいくつだ?"と問われると、声を震わせ小さな声で"16に御座います"と返した。すると将季は"怖いか?案ずるな。俺はお前の身体に指1本触れる気は無い。"と答えた。その言葉に驚いた奈緒は黙って将季の目を見つめた。すると将季はこう話した。"必ず、お前を綺麗な身体で里へ返してやる。"その笑顔に奈緒は生まれて初めて恋をした。ただ、同じ布団に横たわり眠りにつく将季の横で顔を見る事さえ出来ず、ただじんわり伝わってくる将季の温もりを感じながら眠れぬ夜を過ごした事。
『お松…。』
『はい。』
『お松には苦労をかけましたね。』
『いえ…。』
『将季様の元で命を断とうなどと…馬鹿でした。』
そう話して奈緒は16歳という若さでこの城へ来た頃の事を思い返していた。将季との初夜で一目見た将季に心奪われた。奈緒にとっては初恋だった。奈緒は呉服屋の娘で特別貧しい暮らしをしていたという訳では無かったが、その美しさが町では評判となっていた。父、政吉(まさきち)に言われるがまま半ば強引にこの城へ連れて来られた。不安で一杯の奈緒は初夜の晩、一言目に"歳はいくつだ?"と問われると、声を震わせ小さな声で"16に御座います"と返した。すると将季は"怖いか?案ずるな。俺はお前の身体に指1本触れる気は無い。"と答えた。その言葉に驚いた奈緒は黙って将季の目を見つめた。すると将季はこう話した。"必ず、お前を綺麗な身体で里へ返してやる。"その笑顔に奈緒は生まれて初めて恋をした。ただ、同じ布団に横たわり眠りにつく将季の横で顔を見る事さえ出来ず、ただじんわり伝わってくる将季の温もりを感じながら眠れぬ夜を過ごした事。