eternal〜守りし者〜
空我が去った後、奈緒はお松と目を合わせ抱き合った。"私も、奈緒様を心からお慕いしております。例え此処を離れても、その想いに変わりは御座いません。"奈緒はこの日を境に将季への想いを断ち切った。そして、いつまで一緒に居られるか分からないお松との時間を穏やかに過ごした。その、10日後奈緒達に艶女制度の廃止が告げられたのだ。




『奈緒様、私も奈緒様に文を出したく思います。必ず殿にお許しを頂ける様致します。』


『お松…。』



この2人にも目には見えぬ固い絆が生まれていたのだ。お松はその後、奈緒との約束を果たし2人は離れた後も文で繋がっている。奈緒は懸命に店を手伝い、その笑顔で客足を集め父、母、そして弟の4人で再び明るく笑顔の絶えない暮らしへと戻った。お松は城の女子を率いて日々訓練に精を出している。奈緒からの文がお松の何よりの励みになった。




ところ変わって、お涼の部屋では紗江の怒鳴り声が響き渡っていた。


『お涼様ぁ!何を呑気にしておられるのです?』

裁縫部屋への引越し作業が進まないお涼に紗江は釘をさした。

『そんな事では、針子は務まりませぬよ!』

『どしてよ紗江?』

『いぃですか?お涼様。裁縫部屋というのは、城の為にお勤めをされる場で御座います!他の針子同様規則正しい生活を強いられるのです!此処との生活とは天と地で御座いますよ!』

あまりに脅す紗江にお涼は叫んだ。

『そんなにかッ!?』
< 45 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop