eternal〜守りし者〜
『とにかく!そのお話は裁縫部屋では誠誰にも話してはなりませんよ!紗江も聞かなかった事と致します。』


『分かってるよ。』


『お涼様、あなたはお口の利き方もよろしく御座いませんし、未だそれもそのままで御座いますが…とにかく明るい!どこか憎めない愛嬌が御座います。裁縫の方も一生懸命取り組んでおられました。1度決めた事は決して諦める事無く突き進むお人です。それだけは紗江も見習いとう御座います。これから厳しい修行に入りますが、いつか裁縫部屋の針子にまで名が届くよう立派な忍びになってみせます故、どうぞお元気で。』


紗江が初めてお涼を褒めた別れの言葉であった。


『紗江…。』


お涼は思わず紗江を思い切り抱きしめた。


『あっ、お涼様…。』


『相当厳しい修行なんだろ?紗江大丈夫か?耐えられるのか?』


『はい。耐えてみせます。』


『紗江もいつか戦に行くのか?』

お涼の声のトーンが変わった。

『…はい。その為の修行です。』

『死ぬな…紗江。約束だ。』

お涼の目に涙が溢れた。

『…………はぃ。約束に御座います。』


紗江は目にいっぱいの涙を溜め力強くそう答えた。


ここでもまた、艶女と次女の固い約束が交わされた。その後紗江は佐護路の元で厳しい修行の道に入った。お涼の言葉を胸に、合戦で命を落とす事の無い様必死に励んだ。お涼は、裁縫部屋で紗江にも勝る厳しい針子の先輩に四苦八苦しながらもムードメーカー的存在で部屋を活気付けていた。そこで与えられる手当てをほぼ毎月寺に送っている。
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