eternal〜守りし者〜
そして…お凛と鈴の部屋では、荷造りが進められていた。

『ほぼほぼ手ぶらで参ったというのに…何故こんなにも荷物が増える?』

いつも通り明るく振る舞うお凛。

『ここであしらわれたお召し物は全て持ち帰りなさいとのお達しです。売ればお金になるとか…。将季様なりのお心遣いではないでしょうか…。』

『優しいお方よね。将季様は…。』

『はい。』

お凛は鈴が描いた似顔絵を畳んで、そっと袖にしまった。

『…ところで、お凛様?』

『どうしたの鈴?』

『さっき将季様が仰った…待ち人の事ですが…。』

鈴はずっと引っかかっていた事を尋ねた。

『あぁ…それ。その件は寝夜での話だから…。』

そう言ってお凛ははぐらかした。

『…ん?…あっ、はぃ。』

鈴は寝夜での事ならこれ以上は聞けない…そう思い今の問いを無かった事にした。


『ではお凛様、これも先にお運びして参りますね。』


『悪いわね。』


鈴が荷物を抱え部屋を出ると、お凛は部屋を見渡し目を閉じた。ここでの日々を振り返ってはゆっくり目を開くと、鈴の荷物に何かを忍ばせた。

鈴が部屋へ戻るとお凛は部屋の真ん中で正座をして待っていた。

『お凛様…?』

『座って、鈴。』

鈴は言われるがままお凛の前に正座した。
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