eternal〜守りし者〜
『別れとは…こんなにも苦しいのか…。お凛様が里へ戻れる日を何よりも願ってきたというのに…笑顔で見送れぬ自分が…情けない…胸が…胸が苦しい…。』


『…馬鹿か。互いに生きておれば、二度と会えぬという事ではなかろう。』


将季が笑うと鈴は首を振った。


『…それでも、まだ戦の続くこの乱世…お側でお守り出来ぬ事が不安で不安で堪らん。私の大事な人をいつ失うやもしれんと思うと…怖くて堪らんのだッ…。それに…。』


『……それに?』


『…死にたく無いと強く願ってしまう…。』



『鈴…お前もこっち側に来たか……。そうさせたのは俺だ……許せ…鈴…。』


将季の言葉で鈴はスッと身体を起こし、後ろへずり下がると手をついて頭を下げた。


『殿になんと無礼な振る舞いを…どうか鈴をお許し下さい。』

『…やめろ鈴。』

鈴は頑として顔を上げない。

『おい…。』

将季は無理矢理にでも鈴の顎を引き上げた。
そして、鈴に接吻をした。

『俺はお前を守ると決めた日からずっと、その恐怖と背中合わせだ。』

鈴は驚きの中で昔将季に言われた言葉を思い出した。



……いいか鈴。お前の居場所はどこへも行かない。この先も…ずっと俺の側だ。忘れるな。俺がお前を守ってやる。……



『もう一度言う。俺が必ずお前を守ってやる。』


そう言い残し将季は部屋を出て行った。
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