eternal〜守りし者〜
『やっと思い出してもらえた?8つで人攫いにあってアタシがこれまでどんな人生を送ってきたか…。それなのにアンタは将軍様のお側でぬくぬくと、さぞ良い人生を送ってきたんだろうね。なんでアンタだけッ!』


……人攫い……


鈴は思い出した。幼き頃…双子の姉妹の存在を…。


『……あなたが攫われて、おとっとうも泣いた。おっかぁも泣いた。そして殺された。……ずっと…探してた……呼遙…。』


鈴…8歳の出来事だった。
1人になった鈴は泣きながら呼遙を探し回った。その間2年…飢えを凌ぐ為、生きる為、何だってした。殺し以外…。真夜中、暗がりの畑で土を手で掘り返し泣きながら生の芋をかじった事もある。脚の速さだけは自信のあった鈴は盗みを覚えた。確かに脚は速かったが、誰も鈴に追い付けなかったのでは無い…。追わなかったのだ。顔は真っ黒、丈の合わない服…髪も伸びきった少女を村人や町人は哀れんだ。そんな鈴が茶屋で休む老人の目を盗んで団子を掴み走り出すと、その場に居合わせた佐護路が鈴を追った。丸3日鈴の行動を追った佐護路は暗がりの川で顔を洗い月明かりで水面に写った自分の顔を見て涙を流す鈴を見ていた。そんな時、山賊に囲まれた鈴を佐護路が救ったのだ。
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