eternal〜守りし者〜
『そうだッ!兄ッ!兄だッ!師匠の実兄…漆黒の権蔵!』
父、大吾から聞かされたその名に空我は叫んだ。佐護路と大吾、そして佐護路の実兄権蔵の3人は満示 刃蕉(まんじ ばしょう)という1人の男の元で修行を積み忍びを学んだ。大吾は何をどうしても佐護路兄弟に勝てる事は無かったと、昔1度だけ空我に話した事があった。空我は10歳から佐護路の元で修行を始めたが、1年半が過ぎた頃、2年先に始めた将季には何をしても追い付けず、また2ヶ月遅れで来た女子の鈴には足の速さと洞察力で差を付けられ悔し涙を流した日の事だった。大吾は息子にこんな話をした。自分も佐護路達には敵わなかったが2人とは、それはもう仲が良く自分も兄弟の仲間入りをしたような感覚で、友であり、同志でもあり、家族同然だったと…。自分に足りないモノは何かと自問自答の日々もあったが、そんな大吾に"生きる事を諦めなければいいだけだ"と教えてくれたのが権蔵だった。だが、権蔵はのちに妻となった小夜(さよ)とまだ赤子だった息子を山賊に殺され怒り狂うと間も無く佐護路達の前から姿を消した。それ以来佐護路がいくら探しても消息は途絶えたままとなっていた。
目の前に突如現れた兄権蔵に佐護路は何を思うのか…。大吾、空我、将季、鈴…。
鈴は佐護路に自分を重ねた。
父、大吾から聞かされたその名に空我は叫んだ。佐護路と大吾、そして佐護路の実兄権蔵の3人は満示 刃蕉(まんじ ばしょう)という1人の男の元で修行を積み忍びを学んだ。大吾は何をどうしても佐護路兄弟に勝てる事は無かったと、昔1度だけ空我に話した事があった。空我は10歳から佐護路の元で修行を始めたが、1年半が過ぎた頃、2年先に始めた将季には何をしても追い付けず、また2ヶ月遅れで来た女子の鈴には足の速さと洞察力で差を付けられ悔し涙を流した日の事だった。大吾は息子にこんな話をした。自分も佐護路達には敵わなかったが2人とは、それはもう仲が良く自分も兄弟の仲間入りをしたような感覚で、友であり、同志でもあり、家族同然だったと…。自分に足りないモノは何かと自問自答の日々もあったが、そんな大吾に"生きる事を諦めなければいいだけだ"と教えてくれたのが権蔵だった。だが、権蔵はのちに妻となった小夜(さよ)とまだ赤子だった息子を山賊に殺され怒り狂うと間も無く佐護路達の前から姿を消した。それ以来佐護路がいくら探しても消息は途絶えたままとなっていた。
目の前に突如現れた兄権蔵に佐護路は何を思うのか…。大吾、空我、将季、鈴…。
鈴は佐護路に自分を重ねた。