eternal〜守りし者〜
『金に目が眩んだか?』

佐護路が口を開くと権蔵は答えた。

『同じ仕える者同士。愚問だ。』

『仕える者同士…か。ならば避けられん。これも宿命なのであろう。』

『フッ。』


不可思議な笑みを浮かべる権蔵…。やっと再会した兄弟がそう語り合うのを大吾は見ていられなかった。


『待てッ、佐護路!権蔵ッ!何がお主をそうさせるのじゃ!?兄弟ではないか?20年振りに交わす言葉が…そんな…実の弟だぞッ!』

『黙れ大吾ッ!…お前は昔からそうだった。だから真の忍びにはなれんのだ。』

権蔵の鋭い目付きに優しかった兄の様な昔の面影は一欠片も感じ取れなくなっていた。

『なんでじゃ…?佐護路がどれ程までにお主の行方を…ッ…。』


一瞬の出来事だった…。

音も立てず、殺気すら感じる前に…。

…消える…

そんな言葉で表せばいいのか…。

気付くと一瞬で大吾が鈍い音を立てて地面へと落ちていった。

"言葉を失う"とはこう言う事なのか…。

『……ちッ…父…上ッ………。』

何が起こったのかも分からず、感情より先に溢れ出来る涙…。怒りに震え刀を向けた空我に佐護路は叫んだ。

『下がれ空我ッッッ!』

『…っし、しかしッ!?』

『案ずるな…大吾は無事じゃ。』

気絶させられた大吾の目からは一筋の涙が流れていた。
< 72 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop