eternal〜守りし者〜
『何をしてるッ権蔵!さっさと殺(や)らんか!』

ただ気絶させただけだと分かると快晴は権蔵に怒りを露わにした。

『…快晴、俺が今この時をどれほど待ちわびたかお分かりか?』

快晴に仕えし25年…初めて権蔵に呼び捨てされた快晴は眉を顰(ひそ)めた。

『何じゃと!?』

『私はそもそも駿流美軍に仕えし忍び。亡き将軍 菅張 将我様の命にて今日迄あなたのお側に仕えた間者に過ぎん。小夜と湖太郎(こたろう)の仇、取らせてもらう。』

そう言って振り返ると権蔵は快晴に刀を向けた。

『宜しいか?将季様。』

権蔵の問いに将季は戸惑いを隠せなかった。

『…妻と息子の仇を取らせてくれと言ってる。返事をしてやれ。』

佐護路の言葉に将季は答えた。

『…構わん。快晴の首、そなたに譲ろう。』

それを聞くと権蔵は一瞬で快晴の首をはねた。

権蔵が将季に一礼し、鈴の前へとゆっくり歩いて立ち止まると頭を撫でた。

『…えっ!?』

『鈴…だな?』

『…はい…。』

『本当に…瓜二つじゃ…辛い思いをさせたな。』

鈴には訳が分からずとも、感情よりも先に涙が溢れ出した。

『恨むならなら俺を恨め。俺は呼遙を救ってやれなかった…。俺がしてやれなかった事をお前にさせてしまった…。詫びたとて決して許される事ではないが…どこか、感謝の念すら感じてしまう。』
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