eternal〜守りし者〜
『…笑み?』

権蔵は鈴に小さな手毬を渡した。その手毬を手にすると鈴の音が聞こえた。

『随分前に町で買ったものだ。呼遙への土産として渡した。中に鈴が入ってると伝えるとそれを鳴らして1度だけ笑って教えてくれた。双子の姉が鈴という名だという事を…。あれは、心の底から恨んでいる妹の顔では無かった。』

鈴は手毬を握り締め大粒の涙を流した。

『……これまで…ずっと…呼遙の側に居てくれて…ありがとう……。そして…ごめんなさぃ…。』

鈴は、唯一呼遙の支えとなってくれたであろう権蔵に感謝した上で謝った。

『…謝まるな…呼遙の死は救いでもあったのだ。』


権蔵は将我に向かって片膝を着き頭を下げるとこう述べた。

『殿、お父上とのお約束…20年もの歳月が流れてしまいましたが今ここに、果たせました事を心より嬉しく思っております。』

『権蔵…と、申したな?』

『はい。』

『これからも、菅張に仕えてくれる…という事で間違い無いか?』

『勿論です。亡き将我様に救われたこの命、尽き果てる時が来るまで…貴方様に一生お仕え致します。』

『頼んだぞ。権蔵。』

佐護路も目頭を熱くし兄の姿を見つめると頭を下げた。
< 75 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop