eternal〜守りし者〜
城へ戻ろうとする将季。

『先にお戻り下さい。』

『どうした…?』

『…妹を…呼遙を、静かな場所に眠らせてあげたい…。』

『…そうか。わかった。佐護路と権蔵の手を借りるといぃ。……大丈夫か、鈴。』

『はい。』


鈴は、佐護路と初めて出会った山の川沿いに咲くあの桜の木の元で眠らせてやりたいと申し出た。2人はそれに応え呼遙を運ぶと、そこに穴を掘った。

『権蔵さん、これ呼遙に持たせてやっても?』

鈴は、権蔵に渡された手毬を見せた。

『あぁ。構わんよ。』

鈴は呼遙の手に手毬を握らせると、そっと頬を撫でてやった。

『呼遙…おっとうと、おっかぁと、腹一杯芋食べて…ゆっくり休んで……ね?』

そう言って自ら呼遙の身体に土を被せ始めた。それを見た佐護路等もまた土を被せるのを手伝った。

鈴は土で汚れた手を川で洗いながら、揺れる水面に写る自分を見て1度顔を濡らした。それを見ていた佐護路は権蔵にこう呟いた。

『…10年前も、あいつはここで1人泣いていた。あんな風に…。でも今は…一緒に泣いてやれる。俺と兄貴でな。』


『………そうだな…。』


権蔵の目からこの20年…小夜と湖太郎を亡くした時を最後にずっと堪えてきたものが零れ落ちた。佐護路は権蔵の肩に手をやると、その場を離れ鈴に手拭いを渡した。
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