eternal〜守りし者〜
『殿がお待ちだ…城へ戻ろう。』

鈴は手拭いを受け取るとコクンと頷いた。

3人は城へ戻ると鈴は将季の元へ、佐護路と権蔵は大吾と共に酒を飲み明かした。


『ただいま戻りました。』

『鈴…庭に出んか?』

『…はい。』


将季が鈴を連れて庭に出ると、綺麗な月明かりが2人を照らした。


『この戦で皆傷を負った…。その傷が全て癒えたら、祝言を挙げよう。』


『…桜が散る頃でしょうか?』


『鈴、身体に負ったものだけが傷では無い…。桜が散ろうが、梅雨が来ようが、蝉が鳴こうが構わん。お前が俺と一緒になってくれるのなら…この駿流美が銀世界に移り変わったとしても待てる。時が来たら…これを直して渡してくれ。』

将季が差し出したのは、紐の切れたお守りだった。鈴が昔手作りして渡したお守りだ。

鈴はそれを受け取ると黙って頷いた。将季の気遣いに胸が熱くなった。

偶然にも廊下に腰を下ろし1人庭を眺めていた空我。

『さっさと一緒になればいぃものを…。』

空我は周りに誰も居ないのを確認すると、立ち上がってこう続けた。

『快晴を撃った今、しばらくは何処も戦を仕掛けては来ぬ。…そういう意味だ。』

そう言ってその場を去って行った。

将季は思わず吹き出した。

『…本当にどうしようもない奴だ。』

『…え?』

首を傾げる鈴に将季は少し困り顔を見せた。

『俺はお前との約束を守る…。それが俺と空我の約束だ。友としてのな…。』
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