eternal〜守りし者〜
『…約束?』

将季は笑いながらはぐらかした。

『そのまんまの意味だ。』

そう言って行ってしまいそうな将季の手を掴んだ鈴。


『…待ってよ。』

『…ん!?』


顔を見合わせた2人。次の言葉が浮かばない鈴に将季はそっと唇を重ねた。


『今夜はゆっくり休め。』


そう言って将季は城の中へと戻って行った。


鈴はお湯に浸かり凄まじく濃厚に過ぎていった1日を胸に刻んだ。その頃、佐護路達3人は…語らずとも分かり合える様な2人とは違って、気絶していた間の事を聞いては、これまでの20年を一晩で語り尽くそうとする大吾。酒も入り、歳のせいか涙もろくなったと話す大吾はこの夜3人で酒を交わすという事への喜びが溢れ出ていた。まるで修行中のあの頃に戻った様で権蔵に佐護路との思い出を聞かせ続けた。

そして将季は父、将我の残した言葉を思い出していた。それは、将季が18歳になった晩の事…。将我はお付きの者達に席を外す様伝えると将季にこんな話をした。

『いずれ…必ず現れる男の話をしよう。』

『…いずれ、現れる…男…。』

『そうだ。お前にとって、もう1人の父…とでも申すか…。』

困惑する将季。

『…父…?』

『あぁ…。この将我にとって、唯一無二の男じゃ。時が来れば分かる。何故なら…その男が現れた時、この駿流美はきっと歴史に名を残す事になるはずじゃ。』

『………歴史に…名を…?この駿流美がですか?』

『その男がお前のもう1人の父だと思え。必ずお前の力となってくれる。』


あの時、将我が話した男…もう1人の父だと言われた男が権蔵だったのだと、その言葉の意味を今一度理解した将季は月を見つめ微笑んだ。
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