eternal〜守りし者〜
権蔵がパン…パン…パン…と拍手を送った。


佐護路に指先を向けたまま鈴の目から大粒の涙が溢れた。

そんな鈴に佐護路はあの笑顔で答えた。

『……強くなったな…鈴……あんな…あんな泣き虫が……。』


そう言って目を真っ赤にすると、佐護路の笑みから悲しさは消え心から喜びに満ちた笑顔へと変わった。鈴は、それを見ると腕を下ろし一礼したまま涙ながらに感謝を伝えた。


『ありがとう御座いました…。師匠のお陰で…生きて来れた……救われた……あの日、私を拾ってくれたご恩…今も…これからも…ずっと、決して忘れは致しません…。』


佐護路の涙は拭っても拭っても溢れ出た。


『…馬鹿野郎…離れ離れになる訳でもあるまいし……これからお前を"鈴様"とお呼びせねばならんかと思うと、なんや…そのぉ…変な気分じゃ!』

精一杯笑って誤魔化そうとする佐護路に鈴はすっと身体を寄せた。

『………………………。』

鈴に腕を回された佐護路は驚いた。

『…師匠…一度でいぃ…今だけは、鈴を娘だと思って抱きしめて下さい。』

佐護路はその言葉に一層涙が溢れた。
ゆっくり鈴に手を回すとポンポンと頭を撫でた。

『…よく耐えてきたな鈴。さすが…俺の子だ…。』

"俺の子"…その言葉が鈴にとってどれほど嬉しかったか…。権蔵は桜の下で眠る呼遙にもこんな未来を与えてやりたかったと思うと同時に、呼遙の分まで幸せになれと願った。
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