eternal〜守りし者〜
城に戻った鈴は、自分の部屋で将季から預かったお守りの紐を付け直した。そして、空我の部屋を訪ねた。

『…少し、いぃ…?』

『あぁ…どうした鈴?』

『空我には話しておこうと思って…。』

『………師匠に手合わせ願ったそうだな。どうだった?コテンパンにやられたか?』

『…………………。』

何も答えない鈴に空我は笑って頭を撫でた。

『俺はずっとお前を見てきた。殿の事もな。俺の入る隙間が無い事など、ずっと前から心得ておる。故に腹が立った時もあった。殿は鈴以外あり得ないのだと申す。ならば早くお前らが一緒になってくれんと、後継ぎが産まれん。何としても駿流美を守らねばならんと言うのに…ここまで大きくした駿流美に後継ぎがおらんのでは、これまで何の為にあんな厳しい修行に耐え殿をお守りして来たのか分からぬからな。』


空我は鈴に言いづらい話をさせまいと、1人喋り続けた。


『…空我…』


『だからな鈴…さっさと行け。行って殿に"お待たせしました"と伝えて来い。』


鈴は空我の想いに胸が痛んだ。


『…ありがとう空我…。空我が居てくれたから頑張って来れた。私の人生に掛け替えの無いものを与えてくれた。一緒に過ごして来れた事…本当に良かったと思ってる。ボロのお守り…大事にしてくれた事…私の事…本当にありがとう…。』

鈴は両手をついて深く頭を下げた。

『………いぃから…行け…。』

空我は思わず鈴に背を向けた。

……やっと……やっとだ……

そう思うと不意に涙が溢れそうになった。その涙が封じ込めてきた鈴への想いを終える事への涙なのか、2人の幸せを願うモノなのかが自分でも分からなかったからだ。
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