eternal〜守りし者〜
『あらッ!?』

お凛がお腹に手を当てると、鈴は少し膨らんだお凛のお腹を見た。

『…お凛様…もしかして…?』

『文を出そうか迷っていた矢先に、城から文が届きました。殿からです。なので…直接お顔を見てお伝えしたく参りました。この子も今日のこの日を喜んで腹を蹴るのかも知れません。本当におめでとう御座います。』

『…ありがとうございます。お凛様が此処を去って行かれたあの日の文が、今日に繋がっているのだと思います。またお会い出来て、心から嬉しく思います。』

『本当にお優しい方ですね…あなたの殿は。庶民に戻った私に、どうか城へと招いて下さるだなんて…なんと感謝を伝えたら良いか…。』

大吾に酒を注がれ笑う将季。それを囲う空我達。

『皆に慕われ、男らしく、お優しい…形は変われど、殿をお守りして行くというお気持ちだけはこれからも決して変わる事は御座いません。』

将季を見つめる鈴の言葉に、この上なく愛を感じたお凛…。誰もが笑みを浮かべて和やかに過ぎて行く時間…この城でこんな日を迎えられているという実感…鈴はこの喜びを噛み締めていた。

『…しかし…きちんと化粧をし華やかな布を身に纏うだけで…こうも女子は変わるのね。見違えたわ。』

『お凛様ッたら!』

互いに笑い合うとお凛は小声でこう述べた。

『本当に綺麗よ鈴…今だけはそう呼ばせて。』

『…はいッ、お凛様。』
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