eternal〜守りし者〜
目を覚ました将呼に将季はこう言った。

『父は、これより城を離れる。父が戻るまで、母上と沙莉を頼んだぞ。』

『……どちらへ行かれるのです?』

『直ぐに戻る。将呼…お前は男だ。男は女子を守らねばならん。分かったな?』

『……はぃ。』


将呼の頭を撫でると将季は部屋を後にした。


『…母上、父上はいつ戻られるのですか?』


『……直ぐに。直ぐお戻りに……。』


悲しげな顔をして答える鈴に、将呼はそっと寄り添った。


『大丈夫です母上。将呼が必ずお守り致しますよ。』


そんな我が子に、幼き頃の将季を重ねた鈴は将呼をしっかり抱きしめた。


『そうですね…母はそなたを頼りにしておりますよ。』



そして駿流美軍は夜明けを前に出陣した。
城の中ではお松を筆頭に女中達が、城の周りを男衆が守りを固めた。

鈴は皆の無事を祈りながらお守りを握り締めていた。


『鈴様、きっと大丈夫で御座います。』


『紗江…私もそう思いたい。思いたいが…殿のあんなにも不安気な顔を見たのは…お顔は笑っていても、死をも覚悟の顔であった。』


その事は紗江にも十分伝わっていた。


『私も、戦では無く城に残り、鈴様のお側を離れるなと申し使った際…殿からそのご覚悟が見受けられた様に思いました。ですが…鈴様が生きてお待ちになられてる限り、殿は決して生きる事を諦めたりは致しません。紗江は、その様に思います。』
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