eternal〜守りし者〜
藤原軍 冴羽 克徳 は将季と同じ歳で、父 克行(かつゆき)が病に伏せると、一気に領土の年貢制度を厳しいものとし、なにより贅沢を好む卑劣で我儘な男へと変貌して行ったのだ。藤原軍が徐々に勢力を上げて行ったのも、かつて、克行が唯一恐れ慄いた将季の父、将我に見習い軍勢の育成や腕力の強化、策の攻略など…戦に備える全てに力を入れた結果であった。克徳は克行にそれは厳しく育てられ、幼き頃から父には何一つ逆らえぬ程の徹底ぶりで、訓練に訓練を重ねる日々という事もあり腕は確かなものであった。城に住めど贅沢は許されず、時期将軍とは言え立派な格好と言える物を与えてはもらえず…その反動が今の克徳を作ったとも言える。寝たきりで口も聞けぬ父に代わり母、香音(こうね)は克徳のやり方に泣いて猛反対するも止められず、克徳の妻、雛多(ひなた)もまた暴力を恐れ誰も克徳を止める事は出来なかった。

そんな克徳を固める軍勢は、ようやくここまで来たのだと克徳に増して駿流美軍との戦に血を滾らせていた。

正反対の将季と克徳。民の為、守りたい者の為に死をも覚悟で挑む男と自分の為、名声のためだけに勝ちを取りに行く男…。

この戦がもたらす運命とは、どんな結果をもたらすのか…。鈴はただただ祈り続けるだけであった。
< 94 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop