eternal〜守りし者〜
『佐護路ッ!』


大吾を受け止めた空我は、その手を決して離さなかった。


『離さんかッ!空我ッ!』


『なりませんッ!なりません父上…。』


『これは戦じゃッ!ただジッと見てては彼奴の首など取れぬッ!!!』


『私でも…分かります…彼奴は強い…。あんな殺気はこれまで感じた事が無い。師匠は、きっと父上に"生きろ"と仰ったのです。』


『…何?』


これまで無傷だった権蔵でさえ、その腕や脚を切り刻まれて行く…。佐護路の妖術さえ通用せず吹っ飛ばされ血を流す。それでも、克徳に向かっていく2人を見て、自分に勝ち目など、到底無い事は分かった大吾。

…それでも……。


『2人の邪魔はせぬ…行かせてくれ空我。』

『父上ッ!?』

『今戦ってるあの2人は、ワシの友じゃ。仲間じゃ…。同志、兄弟、家族なんじゃよ。命惜しくて黙って見てるなんぞ…それは死と同じ事…。奴らと共に戦ってこそ、ワシの心は生かされるのだ。』


その言葉に顔をしかめる空我は将季の方に目を向けた。


黙って頷く将季…。

空我は、そっと大吾から手を離した。


『…すまぬ…空我。父は最後まで戦う男でありたい…。』


そう言って刀を手に克徳へと向かって行く大吾の背中は、これまでで1番格好良く誇らしい背後だった。
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