ノクターン

「今日、深見さんから連絡あったよ。土曜日の午前中で、設置が全部終るから 午後にでも 確認に来て下さいって。」

食後のコーヒーを飲みながら 智くんが言う。
 
「わあ。楽しみ。どうしよう、楽しみ過ぎて眠れないよ。」

私は はしゃいで言う。
 


「土曜日からは 初台に住むよ。」

喜ぶ私に 智くんも嬉しそうに微笑む。

私は、智くんに寄り添いながら、
 

「そうだ、土曜日にお父様とお母様に お部屋を見て頂きたいね。二人で住む前に。」
 
「麻有ちゃんは いい子だね。そんな事 思いつかなかったよ。明日、おふくろに言っておくね。」


智くんは私を抱きしめてくれる。
 


優しくされるから、私も優しくなれる。

智くんが、こんなに私を大切にしてくれるから。

私は、どんどん素直に 優しくなれる。


そんな私を、智くんは さらに愛してくれる。


私達も 良いスパイラルに入っていた。



「入籍は クリスマスイヴにしようね。」

熱い口づけの中、智くんは言った。



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